いつ服用するか、どう決まる?

薬はいつ飲んでも良い?
薬の服用時間を守ることは、薬の効き目を発揮し、副作用をできるだけ少なくするためにも、重要です
 
 

薬を飲む時間(服用時間)はどのように決めているのか?

 
薬の特性病気の特徴に合わせて、その服用時間が決まっています。
 

薬の特性

 
服用時間を決めるときに考慮する薬の特性とは、
  • 薬の作用の仕方
  • 体内での効果の持続時間
  • 食事との関係
があります。
 
長く効く薬や、長く効くように加工された薬の場合は、1日に1回服用するだけで、長く効くものもあります。
 

病気の特徴

 
服用時間を決めるときには、薬の使用目的、つまり、病気の特徴に合わせて決める場合もあります。
  • 薬を使う目的
  • 症状が現れやすい時間
 
例えば、糖尿病の場合、食事を摂ることで、血糖値があがるので、
食事と薬の効果のタイミングを合わせる必要があります。
 
また、寝つきを助ける薬は、寝る前に必要な薬ですので、昼間に飲むのではなく、就寝前に飲みます。
 

食事と薬

 
多くの薬は、「食後」に服用してください、と指示されます。
このように、服用時間と食事の時間を関連づけています。
 
これは、ほとんどの皆さんは、決まった時間に食事をとっていると思います。
そのため、食事と関連づけることで、薬を決まった時間に定期的に服用することができます。そうすると、薬も一定の効果が発揮されると、考えられます。
 
薬は、体内に吸収されて、全身をめぐり、やがて、尿や糞便中などに出ていきます。
そのため、次回の服薬が遅くなると、だんだん体内の薬の量は減っていきます。つまり、薬の効果もだんだん減っていきます。
薬を一定の決まった時間に飲むことで、体内に入る薬と、体外に出ていく薬がちょうど良いバランスを保つことができるので、一定の効き目が得られます。
 
 
一般的に、空腹時に飲むと、薬が吸収されやすい反面、消化管の粘膜を荒らしやすいこともわかっています。
 
食後に服薬する主な理由は、
  • 食事時間を参考に、一定時間に服薬するため
  • 胃に負担をかけないために、食後に服薬する
といった理由があります。
 
しかし、中には、特別な理由がある場合がありますので、その場合は、注意が必要です。
 

食事の影響

 

消化管内の環境変化

 
口から飲み込んだ薬は、消化管を通るうちに、細かく砕かれ、主に小腸から吸収され、血液内に入り、全身をめぐるうちに、薬の効果を発揮します。
 
食事を摂ると、消化するために、胃酸などの消化液の分泌量は増え、消化管は活発に動いて、内容物を十二指腸→小腸→大腸へと送り出します。
このように、食前と食後では消化管内の環境が変わるため、一部の薬では、影響を受けます。
 
胃酸があると、よく吸収されやすい薬は、食直後に服用します。
(食直後に飲むとよく効く薬)
 
逆に、消化管内に食物があると、薬の吸収が邪魔される薬は、空腹時に服用します。
(空腹時に飲むとよく効く薬)
これを、食後に飲むと、薬が吸収されず、薬の効き目が落ちます。
 

副作用を低減する

 
薬は生体にとって本来は“異物”であるため、胃腸に負担が来る可能性もあります。
 
例えば、解熱消炎鎮痛薬(例、ロキソニンなど)は、胃に負担をかけるため、胃が痛くなる可能性があります。
食後に飲んだ方が、胃に負担がかかりにくいと言われています。
このように、副作用をでにくくするために、食後に服用する場合もあります。
 

飲み忘れたら?

 
定期的に飲むように指示された薬は、
きちんと指示通りに飲み切って欲しいのですが、
どうしても、薬を飲み忘れることはあります。誰でもあります。
 
大切なことは、飲み忘れたときに、正しく対処できているかどうか、です。
 
また、薬剤師としては、なぜ薬を飲み忘れるのか?の話をお伺いして、
飲み忘れないようにするには、飲めるようにするには、どうしたら良いか、
一緒に相談したいと思っています。